2025年5月17日・18日。渋谷ヒカリエで開催予定の「ナースフェス2025」。
「看護師1,000人以上の声を反映したイベント」――そんな謳い文句で、華やかに装飾された公式情報がネット上に踊っています。
しかし、本当にこれは「看護師のため」のイベントなのでしょうか?
今回は、“行けば前向きになれる”とされるこのイベントに対し、あえて厳しめの視点で切り込みます。
ナースフェス2025とは?都心×フェス=本当に誰のため?
ナースフェス2025の会場は「渋谷ヒカリエ」。
SNS映え、アクセスの良さ、豪華ゲスト、企業ブース…見た目はまさに“お祭り”。
だが、ここにひとつ大きな違和感がある。
誰がこのフェスに参加できるのか?
正直な話、「ナースフェスに行ける看護師」って、ごく一部です。
都心の病院で働く、比較的自由なスケジュールを持つ人や、すでにキャリア形成が順調な人たち。
地方勤務やシフト過密な現場にいる看護師たちは、イベントに行くどころか、週末の休みすら取れていないのが現実。
「看護師の声」って誰の声?よく聞いてほしい、現場の本音
主催者側は「1,000人以上の看護師の声を反映」と言いますが、ここにも注意が必要です。
アンケートやSNSの声、イベントボランティアの意見――そのほとんどが "声を出せる看護師”の意見**です。
つまり、SNSを活用し、発信力があり、ある程度余裕がある人たちの声。
対して、「限界を超えてるけど、言葉にできない」看護師たちの声は集計されていない。
看護師不足、労働環境の悪化、長時間労働、休日返上、パワハラ・モラハラ…
こうした“生々しい現場の声”はどこへ消えたのか?
看護師の現実とフェスの理想:このギャップがツラすぎる
キラキラと装飾されたブース。華やかなトークセッション。SNSで流れる「楽しかった!」の声。
でも、その裏で今日も食事を摂る暇もなく走り回ってる看護師がいる。
ナースフェスのPR文には「仕事への誇りとプライベートの充実を応援」とあるが――
その“応援”は、現実を生き抜くための手助けになっているだろうか?
「もっと自分を大事にしていい」
「看護師の仕事は素晴らしい」
「自分らしく生きよう」
この手の言葉は確かに前向きだ。しかし、根本的な労働環境や制度にメスを入れない限り、絵に描いた餅に過ぎない。
イベントより現場改革を――「癒し」より「待遇改善」を求めたい
ナースフェスが“癒し”のイベントであることに異論はない。
だが、あまりに“やってる感”だけで終わっていないか?
看護師に必要なのは、「明るいイベント」ではなく、「明確な制度改善」です。
残業の削減
夜勤手当の見直し
精神的サポート体制の構築
キャリア支援の多様化
地域間格差の是正
こうした“現実を動かすアクション”が、ナースフェスの中でどこまで扱われているのか。
華やかなステージの裏側で、「もっと本質を議論してくれ」と願う声があるのです。
ナースフェスに参加できない人たちの存在
もう一つ見落としてはならないのが、「フェスに参加できない看護師」の存在です。
たとえば、
地方で働く看護師
シングルマザーで休日が取れない
高齢者看護や終末期医療に追われる人
ダブルワークをして生活を支えている人
彼女たち/彼らがこのイベントで何を感じるか?
もしかすると、「私はそこに行く資格も余裕もない」と思ってしまうかもしれない。
それはイベントの意図とは真逆の“排除”を生みかねないリスクでもあるのです。
批判だけじゃない、イベントに求める“本当の価値”とは?
もちろん、すべてを否定するつもりはありません。
看護師のモチベーション向上、自分自身の価値に気づく場として、ナースフェスには一定の意義があります。
でも、だからこそ言いたい。
もっと“現場の声”を聞いてほしい。
“イベントを盛り上げる人”だけでなく、“声なき声”にも光を当ててほしい。
そうすれば、ナースフェスは「楽しいだけのフェス」ではなく、
“明日からまた頑張れるためのリアルな力”になる。
筆者の意見:フェスに予算を使うなら、現場を守る資源に
フェスには予算がかかる。会場費、人件費、演出、広告…。
その費用を少しでも、現場のサポートや労働環境の改善に使えないだろうか?
たとえば、
精神的な悩みを相談できる匿名の無料カウンセリング窓口
地方・離島で働く看護師へのサポート制度
子育て中の看護師への柔軟な勤務システム
セクハラ・モラハラ対策の強化研修
これこそが、“本当に看護師のためになる施策”ではないでしょうか?
まとめ:私たちは、誰のための「ナースフェス」を求めているのか
ナースフェス2025。
それは決して悪いイベントではない。
でも、“綺麗ごと”だけで終わってはいけない。
看護師という職業の価値を伝えるなら、
その苦しさ、孤独さ、制度の歪み――全部を、真っ正面から扱う勇気が求められます。
華やかな舞台の裏に、本当の看護のリアルがある。
そのリアルに、光を――。
※この記事は、現役看護師・医療関係者の声、SNS上の反応、関連資料をもとに構成されています。
あくまで一つの視点として、多様なご意見を歓迎します。
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