2026年9月30日、Binance PayとPayPayの連携が始まり、海外のBinance Payユーザーが日本全国のPayPay加盟店で暗号資産を使って支払えるようになりました。
これまで日本では、PayPayと暗号資産の連携というと、PayPayマネーを使ってBinance Japanで暗号資産を購入したり、暗号資産を売却して日本円をPayPayへ出金したりするサービスが中心でした。
今回始まったのは、それとは別の「海外のBinance Payユーザーが、日本の店舗で暗号資産を使って支払う仕組み」です。
Binance PayがPayPay加盟店に対応
今回の連携によって、日本国外のBinance Payユーザーは、日本国内のPayPay加盟店で飲食、買い物、宿泊などの支払いができるようになりました。
決済には、国境を越えたキャッシュレス決済を支援する「HIVEX」が利用されています。
重要なのは、店舗側が暗号資産をそのまま受け取るわけではないことです。Binance Payユーザーが暗号資産で決済しても、加盟店側には売上代金が日本円で支払われる仕組みになっています。
誰が利用できる?
今回のBinance PayとPayPay加盟店の連携は、訪日外国人旅行者など、日本国外のBinance Payユーザーを対象としたサービスです。
日本に居住するBinance Japanユーザーは、この決済機能の対象外とされています。
つまり、日本国内でBinance Japanを利用している人が、今回のサービスを使ってPayPay加盟店で暗号資産決済をする、という仕組みではありません。
どのように支払う?
決済方法は、大きく2つの方式に対応しています。
- 店舗に掲示されたQRコードをBinance Payユーザーが読み取る方式
- 店舗側がユーザーの決済コードを読み取る方式
一般的なコード決済と同じように、QRコードを利用して支払う仕組みです。
暗号資産なのに、なぜPayPay加盟店で使えるの?
ポイントとなるのが「HIVEX」です。
HIVEXは、異なる決済サービスを接続し、国境を越えたキャッシュレス決済を可能にする仕組みです。
今回の連携では、Binance PayとPayPay加盟店の間をHIVEXがつなぐことで、海外のBinance Payユーザーが日本のPayPay加盟店で決済できるようになっています。
そのため、店舗側がBinanceの暗号資産を直接受け取って保有する必要はありません。
店舗側にとっては、日本円で売上を受け取れる点が大きな特徴です。
どんな店で使える?
対象となるのは、PayPayに対応している加盟店です。
今回の連携により、飲食店、ショッピング、宿泊など、訪日外国人旅行者が利用するさまざまな場面でBinance Payによる決済が可能になります。
ただし、すべてのPayPay加盟店で必ず利用できると考えるのではなく、実際の利用可否については店舗側の対応状況などを確認する必要があります。
Binance Payの利用者はどのくらいいる?
Binanceによると、Binance Payは100以上の国と地域で利用されています。
2026年6月1日時点のユーザー数は約4,800万人とされており、今回のPayPay加盟店との連携によって、日本を訪れる海外ユーザーにとって暗号資産を利用できる場所がさらに広がることになります。
日本人のBinanceユーザーがPayPayを使うサービスとは違う
ここは混同しやすいポイントです。
Binance Japanでは、すでにPayPayとの別の連携サービスがあります。
2025年11月からは、PayPayマネーや対象のPayPayポイントを利用して暗号資産を購入したり、暗号資産を売却して得た日本円をPayPayへ出金したりできるサービスが提供されています。
さらに2026年4月からは、取引前にPayPayマネーをBinance Japanへ入金しておく機能も提供されています。
今回のニュースはこれとは別で、海外のBinance Payユーザーが日本のPayPay加盟店で暗号資産を使って支払えるようになったというものです。
今回の連携で何が変わる?
今回のサービスによって、海外の暗号資産ユーザーは日本旅行中の支払いにBinance Payを利用できる場面が増えます。
特に、海外で普段からBinance Payを利用している人にとって、日本旅行中に新しい決済手段を用意する必要性を減らせる可能性があります。
一方、加盟店側から見ると、海外のBinance Payユーザーを新たな訪日客として取り込める可能性があります。
しかも加盟店側の売上は日本円で支払われるため、店舗が暗号資産を直接保有する必要がない点も特徴です。
Binance PayとPayPayの関係は今後どうなる?
BinanceとPayPayの関係は、今回突然始まったものではありません。
2025年10月には、PayPayがBinance Japanの株式40%を取得する資本業務提携が発表されています。
この提携では、暗号資産とキャッシュレス決済を組み合わせた新しい金融サービスの提供などが掲げられていました。
その後、日本国内ではPayPayマネーとBinance Japanの連携、そして今回のBinance PayとPayPay加盟店の連携へとサービスが広がっています。
まとめ
2026年9月30日から、海外のBinance Payユーザーは日本のPayPay加盟店で暗号資産を使った決済ができるようになりました。
今回のポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 2026年9月30日からサービス開始
- 日本国外のBinance Payユーザーが対象
- 日本のPayPay加盟店で利用可能
- 飲食・買い物・宿泊などに利用できる
- QRコードを使って決済する
- 決済にはHIVEXを利用
- 加盟店側には日本円で売上が支払われる
- 日本在住のBinance Japanユーザーは今回の対象外
これまで暗号資産は「投資・資産運用」のイメージが強いものでした。しかし今回の連携によって、海外のBinance Payユーザーにとっては、日本旅行中の買い物や食事などに暗号資産を利用する選択肢が広がりました。
今後、暗号資産とキャッシュレス決済の連携がどこまで広がっていくのか注目されます。
なぜ日本人はBinance PayでPayPay加盟店を使えないのか?
ここで、ひとつ気になることがあります。
「海外の人はBinance Payで日本のPayPay加盟店を利用できるのに、なぜ日本に住んでいる人は利用できないの?」
同じBinance Payなのに、海外ユーザーは日本で暗号資産を使って買い物ができる。
一方、日本国内のBinance Japanユーザーは、その仕組みを利用できません。
この違いには、単純な「日本人だから」という話ではなく、日本向けの暗号資産サービスと、海外ユーザー向けの決済サービスが別々に設計されていることが関係しています。
海外ユーザーは「日本に来た人」として利用する
今回のサービスをイメージすると分かりやすいでしょう。
海外でBinance Payを使っている旅行者が日本にやって来る。
スマートフォンには、普段使っているBinance Pay。
そして日本の街には、全国に広がるPayPay加盟店があります。
この2つをHIVEXによって接続することで、海外ユーザーは「海外で持っていた暗号資産を、日本での買い物に利用する」ことができます。
しかも店舗側は暗号資産をそのまま受け取る必要がありません。
ユーザーは暗号資産で支払い、店舗側には日本円で売上が入る。
つまり、店舗側から見ると、暗号資産を扱うというより、新しい海外決済手段がPayPayのネットワークに追加されたと考えることができます。
では、なぜ日本在住者はダメなのか?
ここからが重要です。
今回のサービスについて、PayPayやBinanceが「日本人が利用できない理由」を一つに限定して公式に説明しているわけではありません。
したがって、「法律で禁止されているから」と単純に決めつけることはできません。
ただ、サービスの設計を見ると、ひとつの大きな違いが見えてきます。
それは「海外ユーザーの日本旅行中の決済」と「日本居住者の日常的な暗号資産決済」は別物だということです。
海外旅行者なら「一時的な決済」という考え方ができる
例えば、海外のBinance Payユーザーが日本に10日間旅行するとします。
その人は普段から海外でBinance Payを利用しており、日本ではその資産を使って食事や買い物をしたい。
そこでPayPay加盟店とBinance Payを接続すれば、日本円を現金で用意したり、新しい決済アプリを覚えたりすることなく、普段使っているBinance Payを利用できます。
これは訪日外国人向けの決済インフラとして非常に分かりやすい仕組みです。
一方、日本人が毎日の買い物に使うとなると話が変わる
もし日本在住者も同じように利用できるようになったらどうでしょうか。
例えば、給料を受け取った後に暗号資産を購入し、コンビニでコーヒーを買う。
スーパーで食料品を購入する。
家電量販店でテレビを購入する。
飲食店で食事をする。
つまり、暗号資産が投資対象から日常的な決済手段へ変わっていくことになります。
そうなると、海外旅行者向けの決済サービスとは違い、日本国内の利用者を対象とした制度・税務・本人確認・資産移転など、さまざまな論点を整理する必要があります。
今回確認できる情報だけでは、これらのうち何が日本在住者の対象外の直接的な理由なのかまでは分かりません。
実は「日本人だから使えない」という話ではない
ここは非常に重要です。
今回の対象外条件は、単純に国籍だけで決まるわけではありません。
ポイントになるのは「日本居住者向けのBinance Japanサービスを利用しているか」という点です。
つまり、日本国籍を持っていても海外に居住していて対象となるBinance Payを利用している場合と、日本に居住してBinance Japanを利用している場合では、扱いが異なる可能性があります。
そのため、正確には「日本人だから使えない」のではなく、「日本居住者向けのサービス体系では今回のBinance Pay決済が対象になっていない」と理解したほうがよいでしょう。
ここからが面白いところ
今回の仕組みを見ていると、少し未来を想像したくなります。
海外ユーザーはBinance Payで暗号資産を使う。
店舗は日本円を受け取る。
そして、その間を決済ネットワークがつなぐ。
これが当たり前になれば、利用者から見れば「自分が何の資産で支払ったのかを、店舗側が意識する必要すらなくなる」可能性があります。
極端な話、将来的には、BTCを持っている人、ステーブルコインを持っている人、別の暗号資産を持っている人が、それぞれの資産から支払い、店舗側はいつも通り日本円を受け取る。
利用者にとっては「暗号資産決済」ですが、店舗にとっては「いつものキャッシュレス決済」です。
もしこの方向に進めば、暗号資産の普及において大きな意味を持つ可能性があります。
日本人が使えないことは、今後も変わらないのか?
これは現時点では分かりません。
ただし、PayPayとBinanceの関係を見ると、両社の連携そのものは進んでいます。
PayPayは2025年にBinance Japanの株式40%を取得する資本業務提携を発表しています。
その後、PayPayマネーとBinance Japanの連携が進み、今回さらに「暗号資産をPayPay加盟店で使う」という方向へサービスが広がりました。
つまり、現在は「日本人が使えない」というところで止まっていますが、両社の連携が今後さらに進めば、日本国内の利用者向けに別の形の暗号資産決済サービスが登場する可能性も考えられます。
もちろん、これは現時点で発表されている計画ではなく、あくまで今後を考えた場合のシナリオです。
現在、海外のBinance Payユーザーは日本のPayPay加盟店で暗号資産を使った決済が可能です。一方、日本居住者のBinance Japanユーザーは今回の対象外です。
ただし、「日本の法律で禁止されていることが直接の理由」といった説明は確認できません。現時点では、海外の訪日客向け決済としてサービスが設計されていることが、対象範囲を理解するうえで重要です。
(参考情報)
ケータイ Watch「PayPayが『Binance Pay』対応、加盟店でインバウンドの暗号資産決済へ」
Binance「Binance Pay Enables Payments at PayPay Merchants via HIVEX® in Japan」
Binance Japan「PayPayマネーを通じたBinance Japanへの即時入金サービス」
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